2019-11-29

プラスチックとゴムの祭典『K』で得た出会い

『K』という業界最大規模のプラスチックとゴムの展示会に参加するためにドイツまで足を運ばれた赤坂金型彫刻所の赤坂さん。今赤坂さんの行動力に繋がる想いについてもお聞きすることができました。

ードイツ出張での学びはは今後の赤坂さんのお仕事にどのように繋がりそうでしょうか?

「一番大きいのは、金型や成形に携わっている一流の方々とのご縁ができたことです。ヨーロッパまで足を運ぼうという意識のある方々と出会いいろいろお話しする中で自分の視野も広がりました。文化や宗教によって川にゴミを流すのは当たり前という国もあり、そういった方々のためにも生分解性樹脂が必要とされているという話は、海外に出て仕事をされている方々にお話を聞く機会があったからこそ知れたことです。日本で普通に仕事をしていたら知り合うことのできなかったであろうマニアックな技術をお持ちの方もいらっしゃいました。今後、自分もPLAで何か成形したいとなったときに相談できる方々が増えて心強いです。」



ー赤坂さんは様々なところに足を運ばれて常に学ばれている姿が印象的です。

「出かける勢いがついたのは実はこの3年くらいの話。特に弊社はほとんど親子のみでやっているので、職人として閉じこもっていれば世間の声や情報が全く入ってきません。会社を出て別の分野の方々とお話しすると、自分の仕事や技術について端的に説明しなければならない機会がたくさんあって大変鍛えられますね。こういう学びもあるので、工場にこもって物を作っているだけではいけないと思い、積極的に出ていくようにしています。」

ー逆に、そういった出会いの中で赤坂さんが感謝されたお話はありますか?

「これまたご縁で、児童養護施設でものづくりを体験してもらう場に先生として立つ機会を1年ほど前からいただいているのですが、そこの先生方が『子供たちが今までゴミとして捨てていたものを工作し、電車や部屋を作って遊ぶようになりました!』と嬉しそうに教えてくれたんです。コツコツ続けていることが少しずつ実を結び始めたのかなと思えて嬉しかったですね。」

ー赤坂さんの今の取り組みが今後どのように形になっていくのか楽しみです!


昭和15年に仏具や欄間、記念コインなどの彫刻を生業として設立された赤坂金型彫刻所。今回お話をお聞きした赤坂兵之助様はその3代目となります。全て手彫りで施された初代の方の作品を前に、赤坂様がドイツで学ばれた最先端の技術についてのお話をお聞きしました。常に新しい情報を仕入れ謙虚に学ばれる赤坂様の姿勢が、伝統技術を守り伝えていくのだなと感じます。